絡める両手は恋人の証









  雪が降ったね

  ―そうだね

  寒いね

  ―寒いね

 交わされる何気ない会話 初雪が積もった雪道を貴方と二人歩いていた

 手が 触れそうで触れない距離
 近くて遠い距離

  冬って、好きなんだ

  ―…そうなの?

 初めて聞いた 
 貴方が冬が好きだなんて

 初めてなのもあたり前か 貴方とよく話すようになったのここ最近だもの

  雪が、降ってると涙みたいで

  ―涙?

  そう。空は泣いているのに、その涙は雪になるんだ。地上に降って真白に染めるんだ
  空は白い世界が好きなのかな

 そんな詩的なこと言われたら どう返していいのかわからない

  なんて、ね

  ―…もう。

 悪戯っぽく笑う貴方 雪みたいに儚く見えるわ
 はらはらと降り 日差しに解ける雪のよう

 切ないの

  …ねぇ
 
  ―なに?
 
  手、つなごう?

 差し出された大きな手 さっきまでポケットにおさまっていたその手
 
  ―…うんっ

 繋いだ手 絡めた指先 温かな感触 伝わる優しさ

  ―恋人同士みたいね

  ボクはそうだと思ってたけど?

  ―…………うん。

  ね?



 近くて遠い貴方との距離
 今手が繋がって一つになった

 絡めた両手 貴方との恋証









                                                                                          (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K  
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