お前が逝った。


―――なのに。


こんなにも哀しいと思うのに。



□涙が溢れてこない理由わけ



『お前が逝った』と聞いて、正直驚かなかった。それは”ブレードチルドレン”として
いつ起こってもおかしくないことであったし俺達の運命だ。
それに加えて心のどこかで、こうなることを覚悟していたのかもしれない。
しかしそうであったとしても、心の中は悲しみの覆い尽くされている。

―――なのにどうして・・・。

最後に涙を流したはいつだろう?
・・・母さんが死んだ時だろうか・・・?
あの時も・・・カノン・・・お前が居た。


―――考えるとお前以外の前で涙を流したことがないかもしれないな。


人は・・・守ってくれる人間は居る時、初めて涙を流すと聞いた。
本当になによりも大切な人間が死ぬと、涙が溢れてこないと聞いた。


今の俺はそうなのかもしれない。

だから・・・お前の死に涙を流せない・・・。



カノン・・・俺は・・・苦しい・・・。



END


▼後書き▼
すいませーん;
SSSは本当にムズイですね。
まだまだ修行が足りません・・・。
アイズさまの気持ちを想像してみました。
楽しんでいただけると幸いです。

・・・それでは・・・。

     13巻発売記念 藍薙維麻

                                           
                                  (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K
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