真田さんの恋人。









 「ねぇ、弦一郎」
 「ん…?何だ?幸村」



 幸村はいつものように笑って真田に小さな包みを差し出した。



 「…これは?」
 「昨日、息抜きにクッキー作ってみたんだ。だから弦一郎に。」
 「そ…そうか。」

 

 じゃああとでね、と言って幸村去っていった。



 「……。」



 真田と幸村は恋人同士である。
 その恋人からクッキーをもらって、嬉しくない訳がない。
 嬉しさで、微かに頬を紅潮させながら、真田は包みを開いた。



 「…これは…!!!」



 可愛らしいピンク色の包みから出てきたのは、黒い固まり。
 少し動かすとボロボロと崩れるそれは見るからにスミだった。



 「……。」



 しかし愛しい幸村の作ったモノ、真田はすべて食べ終えた。
 律儀な男である。

















 数時間たって昼休み。
 昨日の晩、幸村から「明日は弦一郎の分もお弁当作っていくよ」と電話があったので、
 今日は弁当を持たずに学校に来ていた。


 
 「弦一郎。」



 数分後、にこにこしながら幸村がやってきた。



 「はい。弦一郎。」



 幸村は少し大きめの弁当箱を真田へと渡す。



 「すまんな。幸村。」



 内心ウキウキ☆ウハウハしながらも、表情ひとつ変えずにそれを受け取りフタを開いた。



 「……。」  
 「…?どうしたの?弦一郎。」
 「…いや。ありがとう、幸村。美味そうだ。」
 「よかった♪」



 弁当箱の中は、キレイに半分に分かれており、半分は白米。もう半分は全て卵焼きがしきつめられている。
 若干驚きつつも、『こんなに卵を焼くにはさぞ疲れただろう。』などと考えて 
 真田は嬉しそうに完食した。












 その後も部活中に「酢は体にいいらしい」と言って、ペットボトルにまったく薄めてない穀物酢を満たして 
 真田に渡したり、「熱いタオルで汗をふいて」と言って電子レンジで熱々に加熱した濡れタオルを渡しり、と
 端から見れば完全に嫌がらせとしか思えないことを、幸村は笑顔で続けた。



 しかし真田は怒ることも無く500mlの穀物酢を飲み切り、罰ゲーム級に熱いタオルで顔をふいた。
 全く気にしてない真田はむしろ嬉しそうな位である。



 「…あの、幸村先輩?」
 「何だい?赤也」
 「そんなに副部長のコト嫌なんですか?」



 赤也の問いかけに、幸村は満面の笑みで答えた。



 「まさか。その逆だよ。」
 「…え?」
 「僕は弦一郎のことが好きだからね、弦一郎の僕への愛がどの位かを確認してるんだよ。」
 「……そう…ですか」



 そして幸村は乾汁級に危ない色をした謎の液体を持って真田の元へと駆けていた。





 
 幸村なりの愛の確認方法である。





 「…それにしたってヤリスギじゃないのか?他にも方法があるようなものだが…」



 柳の言葉に幸村はくるりと振り返り、答える。



 「…だって、この位しないと面白くないだろう?」



 何か黒いモノが混じった微笑みに、立海メンバーは幸村の本性を見た。












 夏のキレイな空の下、立海の副部長が救急車で運ばれたのは 
 また別のお話である。



















 あとがき

 真幸といいはる。

 黒幸村は書きたかっただけ。

 またスランプかも。

 ほんとごめんなさい。
 まとまってなくてごめんなさいOTLOTLOTL…






 


                                                                                          (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K  
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