ま、これはとある日のとある一部の話である。




「鋼のvv」
「…大佐?」
幼くして国家錬金術師になりその身なりから『鋼の錬金術師』と称されるエドワード・エルリック。
そのエドの目の前に忽然と現れたのが『焔の錬金術師』と称されるロイ・マスタング。
 ま、これはそんな二人のある日の話である。
「なんか用?」
「冷たいなぁ、鋼のは。久々に会ったのならば、あいたかったぁ寂しかったぁとかあるだろう?」
「ない」
「…可愛くないな」
「別に。あんた大佐じゃないでしょ?」
「…ん?」
「だぁかーらー、大佐じゃないのに俺の『鋼の』とか呼ぶんじゃねぇってこと」
ふんっと睨みつけてエドは、くるりと振り返って足早に歩きはじめた。
「…あーらら」
声が途中で変わり、小さく青い光を放ちながらロイの姿からそれは変わった。
「騙されると思ったのになぁ、なんか間違えたかなぁ」
それはホムンクルスの一人、嫉妬のエンヴィーだった。

 一つ、付け加えておこう。
これは、エドとロイ。そして、エンヴィー。
三人のとある日常の話である。









 とある日常の、あまりないとある話。










「大佐っ!」
「ン?鋼の?どうした?」
ロイの部屋の前。ロイは部屋に入ろうとした時にその声に呼ばれ、立ち止まった。
見れば、そこにいたのはエド。
「何所行ってたんだよ!俺すげー探したんだぞ!」
「ほぉ?鋼のがわたしを探すとは珍しい。何か用か?」
「顔見にきただけ」
「…。悪ふざけならよすんだな。ココはお前のくるところじゃないよ」
「へ?何言ってるのさ?」
「…ここは国家錬金術師の巣窟だぞ?自ら入ってくるとは馬鹿にも程があるぞ」
「…ふぅん」
にっこりとロイは笑うと、エドに言った。
「生憎わたしの鋼のはもっと愛らしいぞ。化けるならもっと可愛く化けるんだな。
エンヴィー」
「へいへい。ご忠告どうもありがとうございましたっ」
憎らしくそう言い捨てるとエドは、エドの姿をしたエンヴィーは去っていった。
ロイはふぅっとため息をつき、部屋へを入っていった。





「しっかしなんでバレるかなぁ?結構自信あんのに」
悔しそうにその姿のまま徘徊していた。
と、ふと気付くこのまま本物にあったら何をいわれるかわからない。とりあえず無難に普通の人にでもなっていよう。
そして、その姿のまままた徘徊を始めた。














「大佐っ!!」
「鋼の?」
ドアを開けて勢いよく入ってきたエドに驚いて、イスを回してそちらを見た。
なにやら怒っているようだ。
「・・・・・・・・・」
「・・・なんだ、鋼の。じっと見つめているとは、キスでも求めているのか?」
「んなわけあるかぁ!!ここは仕事場だっ!!この変態大佐っ!!」
うがぁっと獰猛な獣のように怒鳴るエドを見て、安心したようにふっと笑いを漏らした。
それから、カムカムと手で呼ぶ。
「・・・あのさ」
「なんだ?」
「・・・やっぱ大佐だよね」
「・・・は?」
「いや。なんでもない」
にかっと笑う。嬉しそうに。幸せそうに。
そんなエドの笑顔に、ロイも幸せそうに笑む。
「そうだそうだ、わたしの鋼のはこんなにもかぁわいいのだ」
「・・・誰にいってんの?大佐・・・」
「いや、先ほどエンヴィーが君に化けてきたのでな」
「俺のところにもきたぜ?大佐の姿で」
「ほぉ?」
「ま、勿論偽物だってわかったけどな」
「無論だ」
「大佐は?」
「聞くまでもあるまい」
フンッと自信満々に胸を張って言った。そんなロイの尊大な態度を見てか、エドはまた笑う。
「鋼の、鋼の」
「なんだよ」
またカムカムと手を動かして、エドを呼ぶ。おとなしくエドはロイの元に寄った。
「膝に乗りたまえ」
「・・・なんっであんたはいっつもそういう風に偉そうかなぁ?」
ぽんぽんっと自らの膝を叩くロイを睨みつけ、1歩退いた。
「なんだ。乗らないのか」
「い・や・だ・ね」
「そうか・・・。ならば強制執行と行こうか」
「う、わぁ」
ひょいっと軽くエドを抱き上げ、膝に乗せた。そして逃れられないように抱きしめた。
得意げにエドの耳元に口許を寄せた。
「た、大佐っ!?」
「わたしからは逃れられないよ、鋼の」
「〜〜〜〜〜〜っ!!」
耳元で囁かれるその言葉に、頬を真っ赤にし『逃れられない』と言われたものの只では収まらないので
一応は暴れていみる。
「こらこら、やめないか」
「離せー!!変態大佐ー!!」
「変態上等」
「誰かきたらどーすんだよー!!」
「そう簡単に誰かが入ってくるものか。わたしの部屋だぞ」
「ほんっとえらそうだな!!あんたは!!」
「大佐だからな」
「・・・あんまり、説得力のないようなあるような・・・」
「はははは」
快活に笑い、掌中におさめたエドの頭を撫でた。よしよし、と愛でてきゅうっと抱きしめた。
エドは諦めたように息を吐くと、全てをロイへと委ねた。
「お?大人しくなったな」
「どーせ、抵抗しても結末は同じだと最近学んだんでな・・・」
「ほほう。なら、結末は早い方がいいな」
「へ?」
くるりと無抵抗に振り返ったエドの顎に手をかけ、口付けた。
「んぅ?!」
「な?」
「な?じゃなくてっ!・・・ちょ、大佐・・・っ!!」
エドを抱き上げて机の上に乗せ、にっこりと笑い、再び口付けた。
エドはされるがままになり、流れを全て任せてはいたのだが、
「大佐っ!!ここっ仕事場なんだけど・・・っ!!」
場が場ということがあり、若干の抵抗を見せた。だがそれを意にも介さずにロイは行為を進めた。
「大佐ァ・・・」
「大丈夫だ。ノックぐらいはするだろう」
「・・・んっ・・・」
「鋼の・・・」
「や・・・っ」


 「おーーーい!!ちょっと話を聞いてくれよーーーーっ!!!

  って、何やってんだ、お前ら」


「ちゅ・・・中佐っ?!」
「・・・ヒューズ・・・」
ノック、そんなものありはしない。隼の如くドアを勢いよく開け、手に娘の写真を持ったヒューズが乗り込んできた。
おんや?とヒューズは首を傾げ、それからにやりと笑った。
「大佐さんよぉ、いっくらなんでもお仕事中にやばいんじゃない?」
「うるっさい!お前が邪魔をしなければ・・・っ!」
「おっまえも大変だなぁ、こんな唯我独尊我一番なこいつのお守をするってのは」
「・・・あ、はは・・・」
「ヒューズ!!貴様何しにここにきた!!」
エドとの行為を邪魔されたロイは腹を立ててか、八つ当たり気味にヒューズにつっつかかった。
ヒューズはにやりとまた笑い、ロイの肩に腕を回した。
「いやぁ、ちょっと聞いてくれよ。うちのくわぁいいエリシアちゃんがよぉ」
「その話は何度も聞いた。たいした用がないなら出て行け!!」
「あーあ、お怒りだー」
ヒュッヒュ―と口笛を軽やかに吹きながらドアの方向に向かう。ロイは怒りながらその帰りを促し、エドは乱れた衣服を直しながら
その情景を見守っていた。
「ま、どこで何やってても勝手だけどよぉ、無理させんなよ☆」
「・・・言われなくても」
そして、『ばっはは〜い♪』と手を振って去っていった。
「ったく。とんだとこで邪魔をされた・・・」
「あははは」
「って、どこに行こうとしているんだ?鋼の?」
「え・・・?」
状況に乗じてこの場を逃げようとしたエドはあえなく再びロイに捕まり、この後の展開はご想像にお任せにしましょう。

ね?









「・・・ったくよぉ、なんでこの姿ならばれないんだよ・・・」
と、ヒューズの姿で愚痴るホムンクルス一人。











ま、そんなお話でしたとさ。














あとがき。

1414hit感謝!!蒼倉星奈様に捧げます!
リクエストは、ロイエド。
ぶちゃっけます、あたし鋼の執筆初めてです。(どど〜ん)
・・・なんでエンヴィーがでてきたんだろう・・・。

はぁい。いつものごとくよくわからない話構成です。
趣旨は「愛した者同士でなければ伝わらない事だって、あるでしょう?」です。

・・・わかるかな。ううん。
ま、そういうことで!!(逃げ)
再びキリリク感謝いたします!!
では。


夜月 哀那





                                                                                          (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K  
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送