そして彼らは歌を唄う
 
 



 
大人気のヴォーカルバンド、AUBE。
これは、今、音楽界でトップに君臨する彼らが結成するまでの話。
 
 
 
 
「あんた達。」
路上でギターの弾き語りをしていた亘と十郎にきつい顔をしためがねの女が声をかけてきた。
「…誰っすか?」
「はい?」
その女は、アルセーヌオフィスの社長、松下敏子だった。
それはいわゆるスカウト、というやつで。
 
 
「晃。」
即効で事務所によばれて状況が把握できないままやたら美形の少年にあわされた。
「はじめまして。青山晃です!」
少年はにっこり笑って言う。
「16歳です。これからよろしくお願いします。」
「…はぁ・・・。」
「よ…よろしく…。」
敏子はめがねをくいっとあげて、二人のほうへ向き直った。
「あんたちには、この子とバンドをくんでもらう。でもそれにはひとつ重要なことがある。」
「…はい?」
 
―――そんなこんなで、3人でバンドをくむことになった。
 
「でもな、バンドをくむなら絶対四人組だ!ミス○ル、グレ○、ス○ッツ…売れてるのは全部四人組だろ?」
そんな、わけのわからない(なんの根拠も無い)敏子の言葉で、亘と十郎はもうひとりメンバーを調達しなくてはいけなくなった。
 
しかし………
 
「おい、十郎、おまえ頑張れよ!」
「無理。俺、友達すくねぇし。」
「俺も。」
「…おれんちの親父、ドラムたたけるけど…。」
「んー…。」
 
やはり、年齢的な差(ヴォーカル16歳だし。)や、外見的な問題があって(ヴォーカル超美形だし。)亘の父は無理だ、ということになった。
 
そんな中。
「ただいまー。」
「あ、兄ちゃんおかえりー。」
「お邪魔してますー。」
亘の兄、保が帰ってきた。
「あれ?兄ちゃん、今日バイトじゃなかったっけ?」
保はミスタードー○ツでバイトをしていた。
「あぁ、あれ?辞めてきた。もうドーナツ揚げるの嫌になってさぁ。」
「へぇー。」
すると、亘の父が、ドタドタとかけてきた。
「保!!!!」
「な…何?」
「いいか?おまえ、これからドラムの練習をしろ!」
「なんで?」
「いいな!ドラムたたくだけで大金ががっぽがっぽはいってくるかもしれないぞ!?」
「……で?」
「いいよな!!」
「…いい…けど・・・。」
保はかなり困った顔をして、気合十分の父親の言葉に嫌々ながらうなずいた。
 
保は思いのほか早くドラムを習得していった。
「なぁ、十郎、もううちのにいちゃんでよくない?メンバー。」
「…俺もそう思う。」
すでにメンバー探しを諦めていた二人は、とりあえず社長である松下に電話をいれた。
「…という訳なんスけど。」
「…とりあえずその保とかいうの、連れてきなさい。話はその後だ。いいね?」
「…はい………。」



そうして、思ったよりも顔がまともだったりしたので
かなりグダグダに保のメンバー入りが決まった。
AUBEのメンバーがこうして四人そろったのである。




「……。」
黙々とサンドバックを叩く保。
「…兄ちゃん…練習は…?」
「大丈夫。昨日ゲーセンでやってきた。」
「……。」
「それより、僕、今日も稽古の日だから社長には言っておいて。」
「…げ…また…?」
「…じゃあ行ってくる。」
「行ってらっしゃい…。」
はっきり言ってほとんどやる気のない保は、ゲームセンターにあるドラム○ニアで軽く練習する以外に
ドラムを叩こうともしなかった。



それでも、あっさりとAUBEはデビューした。



……しかも売れに売れ、今では国民的に人気がある。最強のバンドになってしまった…。
途中、メンバーの一人が事故で死ぬという悲劇も、三人で乗り越え、今も三人で歌を唄っている。



























「…どう?よくない?」
「…よくない。」
にこやかにレポート用紙を見せる亘。
ウンザリした顔で目をそらす八重。
八重の後ろで十郎も溜息をつく。
「…んで?アンタは何したいの…?そんなもん書いて…。」
「よっくぞ聞ーてくれました♪」
亘は偉そうに胸をはって、エヘンと咳払いをした。
「AUBEの自伝的小説を出版すんの!知られざる結成秘話とか!」
「そんな結成秘話なんで読んだら、絶対皆引くぞ?」
「オレもそう思う。」
「十郎もそう思うって。」
「えーー?なんで?いーじゃん!なぁ、晃はいいと思うだろ?」
「はい!いいと思います!すごいですね!亘くん、文も書けるんですか!?尊敬します!」
晃は素直に感動し、拍手までしている。
「…晃…あんたは黙ってなさい。亘が調子にのるだけだから。」
「えー…八重ひどーい。」




結局、AUBEの自伝出版はあっさり社長に却下され、
亘の野望は夢と消えた。








――――そして彼らは、今日も歌を唄うのだった。














▼あとがき▼

遅くなってしまいまして、大変申し訳なく思っておる次第でありますがですね…。(落ち着けよ。
もぅ、大変だったんです。色々と。


そして、駄文でごめんなさい。
原作忠実設定です。割と。
なんか色々痛たたたた…なかんじですけど、
そこはもう、許しちゃってください。友達のよしみで!

とりあえず、キリリクとして月様に捧げます。
ありがとうございました。(逃。

ちゃ…ちゃんと書いたんだから
なぐんないで下さいよ?(怯

んでわ。


      藍薙維麻 


                                                                                          (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K  
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