「ゼルフィルドのバカ」
 「ばかトハナンダ。いおす」
 ゼルフィルドの後ろにいたイオスが、突然、ゼルフィルドの背中を槍で叩いた。
 ゼルフィルドが振り返ると、むくれ顔のイオス。
 「…ゼルフィルドのバカ。」
 「ダカラ、ばかトハナンダ。」
 「バカはバカだよ。」
 イオスはむっとした顔でゼルフィルドをにらむ。
 「……。」
 「……。」
 「……。」
 ゼルフィルドは困ったように(表情はよくわからないのだが)イオスを見て、
 そして、ふと気付く。自分の背中で、ルヴァイドは見えないのだ、と。
 「…ナンダ。ソンナコトカ。」
 そして、軽々とイオスを抱き上げ、自分の肩に座らせた。
 「な、なんだよ!!」
 ジタバタと暴れるイオスの頭をゴツゴツした機械の指で軽く撫でてやる。
 「暴レルナ。いおす。」
 「……。」
 プィとそっぽを向いたイオスにヤレヤレと苦笑(見た目は一切変わってないのだが。)して、
 ゼルフィルドはまた歩きだした。
 頭にぎゅうとつかまって、イオスは少しだけ機嫌がなおったようだ。










 しばらくして少し先を歩いていたルヴァイドが、二人を振り返る。
 「…イオス、何をしている」
 「あ、えっと…あの…。」
 やましいコトもないのに、しどろもどろになって、イオスは答えにつまった。
 「いおすガ足ヲヒネッタノデ、遅レナイヨウニ運ンデイタダケデス。」
 「そうなのか?」
 イオスは頭に『?』マークを浮かべながらこくり、とうなづいた。
 「痛むか?」
 「いいえ。」
 「そうか。」
 ルヴァイドはうなづいて、ゼルフィルドの肩からイオスを抱き上げる。
 「ル、ルヴァイド様っ?!」
 「念のため、患部を見ておくぞ。」
 「だ、大丈夫ですっ!あ、ちょ、ルヴァイド様っ……ん…っ…」
 何かとうるさいイオスの口を、キスでふさいでルヴァイドは木陰へとイオスを連れ込む。
 「「「……。」」」
 そんな二人を呆然と見つめるデグレア兵たち。
 今夜は、もう進めなさそうである。
 「……先ニ、でぐれあへ戻ルゾ。」
 ゼルフィルドは、兵士たちにそう言って、先に立って歩いていった。







 明日は、イオスを肩に乗せて、一日すごしそうだ、そうゼルフィルドは思い、
 二人の帰りを静かに待つのだった。









                                      END







 ▼あとがきかも▼

 キリリク放置してごめんなさい。はい。

 そして、スランプでごめんなさい。
 ルヴァイオ風味、ギャグ甘?そして激短っっっ…。

 あの後、ルヴァイドとイオスはアオカn………(ゲフゥッ

 こんなおかしな文ですが、キリリクとしてささげます。
 鬼灯さーん。捨ててもいいです。苦情はききます。
 はい。以上でした



 


                                                                                          (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K  
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