――――――あれはつい最近、の・・・雨の降った日だっただろうか








「げ」

ポツリと顔に落ちたのは一粒の雨粒
どうやら降ってきたらしい

「ゲイルどうかしたか?」
「・・・雨だ」
「あーあ」
「あーあってか!アキラがヴォルカンでいつまでも合体なんか試してるから・・・!」
「失礼だな。買い物も交渉もしたって言うのに」
「いや余計ダメだろ」

デビルチルドレンとパートナーはヴォルカンの街を後にしてヘルイケン山脈を抜けた
ところだった
セントラルランド近郊の森に差し掛かったとたん雨が降り出した、というわけだ

「あー降ってきた」
「仕方ない、トラポート持ちの奴を呼んどけ・・・」

戦闘も交渉も諦めて一気に任意の街までいこうと提案するゲイル
そんな彼に対してアキラは

「さっき全員合体しちゃったし、無理」

などと笑って言ってのけた

「・・・何で!?」
「どうしてもサンダーバードが欲しかったんだ」
「サンダーバードはトラポート持ちだろ!?そいつ出せよ!」
「さっきゲイルと合体したでしょ」
「あぁそうだった・・・っ!じゃあ天使の翼使えばいいだろ!」
「化石欲しさに金目のもの全部売っちゃった〜」
「他の奴らは!?」
「あぁ、一群の皆なら一人残らず訓練所」

つまり、道具・金は一切無く
仲魔はゲイル以外不在だと言う

「・・・・・・呆れた」
「いいかげん慣れろよ」







ぽつりぽつりと軽快な音を立てて雨粒が落ちていた、さっきまでの天気はドコへ消えたのか
今は話し声も消し去ってしまうほどに雨が地面を叩きつけている

「あー本降りになってきた」
「誰のせいだ、誰の」
「雨、冷たいな・・・」

苛立った目で見てくるパートナーを無視し、アキラは上着を脱ごうとする

「何で脱いでるんだよ。寒いだろ」
「だって、雨あたったら風邪ひくだろう?」
「脱いでも風邪ひくっつの」

とりあえずツッコミ
それから長い尻尾をアキラの上方にもってきた
これで雨が全て凌げるわけではないが、面積の広い尻尾の先端なら
上着を脱いで頭に被るのとたいして変わらないはずだ

「それはちゃんと着ていた方がいい」
「そぅ、ありがと」

と言ってもこの天気だ
濡れた服を着ていてはこの気温は寒すぎる
一刻も早く街に着くべきか、とパートナーが思い悩んでいた時




「・・・?」

雨が止んだ




 いや、そんな訳は無い
 雨の音は止まっていない


ふと振り返れば背中の上のパートナーが大きな葉っぱを二枚持ってそれぞれの頭の上
にかぶせていた

「何・・・してんだ?」
「風邪ひくだろ?手ごろな葉っぱが飛び出てたから千切っておいた」

と笑顔で言う

「・・・サンキュ」
「葉っぱは俺が持ってるからセントラルランドまで全力疾走していいぞ」
「りょーかい・・・」

妙に子供じみたことを言うな、とゲイルは思ったが
アキラの年齢を考えなおして一人納得した


 普段大人びていようとも所詮小学生
 彼が昔仕えていた男とは違う
 そんな遠い昔に忘れていたような彼の年齢を思い出し、気付けば少し笑っていた


「どうかしたか?」
「何でも無い・・・。じゃ、全力疾走でもしますかね・・・」
「たのむよ」






―――――――――――そう、あれは確かに雨の日だった














雨にはあたらなかったけど




















あとがき
ううん、なんだこれは!(笑)
なんせ「葉っぱを傘にするヘイロン」なんてリクを頂いても
トトロみたいな図しか思い浮かばなかったもので・・・まぁトトロ描くよりはいいか
な、と・・・(言い訳だ!)
あえて他の仲魔は出さずに二人っきりにして差し上げましたv
(だって他の出すとややこしくなるのが目に見えているもの・・・)

4545を踏んでくださった蒼倉星奈様に捧げますv
毎度毎度サンクス★








                                                                                          (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K  
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