壊してしまいたい。
壊したい。



その翼をもぎとりたい。



ココに堕ちて。
傍にいて。



貴方を――――――…
 壊したい。






         †罅割れた愛を†






最初は何気なくみていて、そのうちに利用してやろうと思って、近づいて近づいて
…近づきすぎた。
 毒気に犯されたのは私のほう。
 狂おしいほどに愛している。

 ――――――――愛してしまった。





私はイマ何をしている?
「…うっ…」
苦しそうにうめく愛しい人。愛してしまった人。多くの人に愛されている人。
壊したい、人。
「…レ…イム…さん…?」
ああ。愛しく私を呼んで。
「ココは…?」
「秘密です」
にこりと笑う。心の中でほくそ笑む。
「レイムさん…?」
流石に彼も訝っているようだ。当たり前だろう。
手首は頭の上で一括りにされていて、そこからさらに鎖で壁に繋がっている。
 まるで囚人のように。  
 いや。イマ、彼は私の囚われ人。




「あの…俺、帰らなきゃ…」
「どうして?」
「みんな…ネスやアメルも待ってるし…」
ネスティにアメル。聞きなれた名前。融機人と天使か。
過去の因縁に縛られている、イクシアをアルミネ。
 君を待つ人。
「それに…」
「それに?」
次に出てくる言葉など知っている。


「バルレルが…待ってるんです」


さっきより強い語調で、瞳は私を見据えて、心は遠い。
私の憎い人。この人の心を奪う、憎い人。
「だから…――――――」




「帰しませんよ?」



この手で貴方を壊すと決めたから。



「ね?マグナさん」



バルレルの元になど帰さない。




「…い、や…」




恐怖で引き攣るその顔は




「貴方は囚われ人。逃がしはしませんよ」

「やだ…っやめ…っバルレル…っ!!」

「もうその名を口にしないで頂けますか?」



甘美な媚薬。



「助けて…っ!!バルレル…っ」




   ―――――――囚われ人の声は遠く、虚空に響く。




▽あとがき▽

続き物です。続きは裏ですので。はい。
目指せエログロ。
カップリングはレイマグ。…マイナー?

では。今度は裏で。


夜月 哀那





                                                                                          (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K  
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送