狂おしい 狂おしい

私はこの手で貴方を壊したい

憎らしい 憎らしい

貴方の心を占領する悪魔

殺したい 壊したい

君を

貴方を








  †罅割れた愛を†








「レイムさんっ!!やめて下さい!俺を・・・帰してっ!!」
「いやですよ。何度言えばわかってもらえるんですか?」
やっと目が慣れて見廻したその部屋は、牢獄のようだった。
レイムの向こうには鉄格子があり、壁は赤茶色の煉瓦で造られていた。
手に自由は奪われ、目の前にいるレイムの行為を止めることができなかった。
「優しく、しますよ」
ポケットからナイフを取り出す。その刀身は鏡のようで、自分の怯えている顔が映っていた。
「やだ・・・っやめ・・・」
「貴方はいつも下なんですよね?ああ、上なのですか?じゃあ、わかるでしょう?
抵抗は誘っているようにしか聞こえないんですよ?」
「や・・・っ!!」
レイムは服をナイフで乱暴に裂き、首筋に刀身をあてがう。
鋭利なソレは、すこし触れただけで紅い筋を残した。
「殺しはしませんよ。殺したら面白くありません」
「ひっ・・・」
首筋の傷から伝う血を舌で舐めりとり、そのまま首筋に吸い付き紅い痕を残した。
「・・・キスマークがないってことは、上ですか。やっぱり」
クスリ、と笑った。
「キレイな肌ですね。穢れのない、真っ白な絹のよう・・・。
ああ…。でもその絹であの悪魔を包んでいるんですね」
 優しく、愛しく、どうしようもなく、愛しているのだろう。
「憎いですね。どうして貴方は私のモノになってくれないんですか?」
「レイムさん・・・俺は・・・っ」
「あの名は、もう聞きたくありません」
ナイフをかざして、浅くも深くもなく、マグナを切りつけた。
少しだけ、返り血が飛び、かすかな呻き声も聞こえた。
「う・・・っ」
「罪人を染める血も、貴方が流すととてもキレイですよ」
ナイフについた血を舌で舐めり、ツゥと切り傷に触れた。
痛点を指で刺激し、痛みとしてマグナを襲った。
「い・・・痛っ・・・」
「ホラ、私の手は貴方の血で真っ赤ですよ」
手をマグナの前にかざして見せる。マグナは痛々しそうに、それが自分の血であることを嫌悪している風に顔を背けた。
「どうしてそんな顔するんですか?」
また傷に触れる。
「・・・じゃあ、もっと叫んでください。マグナさん?」
傷痕にそうように、爪を立てて力をいれた。
「っあ゛ぁっ!!」
そして、切りつけるように躊躇なくそのまま手を動かした。
直に肉に触れ、痛感が残酷なほどに刺激された。
「うああああっ!!あ゛ぁっ!!」
眼の端にかすかに涙をため、歪んだ笑みを見せるレイムを見た。
 本当に、ヤバイ。逃げなくてはいけないのに。
 逃げることは許されない。
「・・・もうっやだ・・・。帰して・・・っ俺を・・・」
 あの人の元に。
「バルレルのところに返してぇ・・・っ!!」
 
 耐えがたい。
 こんな男に自分が辱められるなんて。
 
 逃げたい。
 バルレルの元に帰りたい。

涙が自然に頬を伝う。
「バルレル・・・」
 俺を呼ぶ君の声が酷く遠い。




「私を怒らせましたね?」




酷く冷めたその顔は、今まで見てきたどれよりもある種の殺気を帯びている。
見られただけで背筋が凍りつく。
 動けない。
「あ・・・っ」
「私はココにいるんです。今、貴方の目の前にいます。
なのに、どうして、あの人の名前が出てくるんですか?
憎い憎い・・・憎い憎い憎い憎い憎いっ!!

貴方もあの人も憎いっ!!」

 自分に浴びせられている罵声。

「私は狂おしいほどに貴方を愛している。
こんなにも憎んでしまうほど、愛してます。
 だから、貴方も私を愛してください」

 理不尽な、愛。












「・・・んっ!ぅ・・・ふぅ・・・」
無理矢理唇を押し当てられると、歯列を割って舌が口内に進入してきた。
からめとられるその舌はされるがままに、翻弄されていく。
 ひとつひとつ、愛する人との感触が薄れていく。
「やっ・・・やめて・・・っ!」
抵抗は、その耳に届かなくてその全ては無駄だった。
 ココは彼の領域で、自分は囚われ人。籠に囚われた鳥。
「もう少し優しくしてあげる予定でしたが、やめました」
レイムの顔は完璧に笑っていない。
乱暴にズボンを剥ぎ取り、マグナの真白い肌を撫でた。ナイフを傍らに置いて、マグナの脚を開いた。
「いやっ・・・!!」
ここからされることなど、わかりきっている。
「いれられるのは初めてですか?マグナさん。
せいぜい・・・喘いでくださいよ」
 それが私の喜び。この手で貴方を抱くこと。
「やめって・・・レイムさん・・・っ!!」
「いやですよ」
「ぅ・・・っっあ゛あ・・・っあ・・・」
十分に慣らしていないマグナの中へ、レイムは容赦なく自らのモノを入れた。
苦しそうにマグナは喘ぐ。痛みと異物感と、何より愛する人への裏切りが心に痛かった。
 裂けて、血が滲んでる。
「・・・っはぁ・・・あ、あ・・・ぅ・・・ぁ・・・」
ガクガクと腰が震える。
「抜いて・・・いたいっ・・・」
「いい顔ですよ。マグナさん。そそります」
「ぅあ゛ぁっ!!」
予告なしにレイムは律動を開始した。手加減などなく激しく突きたて、マグナを追い詰める。
生理的な涙と、恥辱による涙と、痛みの涙が流れ落ちる。
「いたい・・・っ!やめっ・・・あっああっ!!」
接合部からは無理にいれた所為で血がさらに流れ出していた。
「どうしたんですか?もっとなけるでしょ?」
「ふあっ・・・んっ!・・・いやぁ・・・っ」
「・・・それとも私ではなけないと?」
「あああっ!!」
痛みと共に中にレイムの性が吐き出された。
 顔は涙でぐしょぐしょ、下もレイムの犯されぐしょぐしょ。
 心はぐしゃぐしゃ。
「・・・うっ・・・いや・・・っバルレル・・・っ」
愛しく想う君のこと。逢いたい。この手で抱きしめたい。
「・・・まだ、言いますか?」
「・・・っ!!」
脚を掴んでいる手の爪を立てる。
「・・・。フフッ。わかりましたよ。
 何度も何度も貴方を犯してあげますよ」
 その心が私のモノになるまで。
「自分の愚かさを少しは呪ってくださいよ?」
傍らに置いたナイフを再び手に取り、勢いよくマグナを壁に縛り付けていた鎖を切った。マグナの腕は力なく垂れ、
未だに手首は紐で拘束されている。手首は赤く腫れていた。
でも、そんなこと気にする様子もなくレイムはマグナの身体を反転させ、マグナは顔を床に押し付けるような体勢になった。
床は冷たかった。レイムの心はもっと冷たかった。
抜かれていないモノがまた動き始めた。
「ん・・・っぅん・・・っあっ!」
血と混ざり合った精液が律動の度に、グチュグチュと卑猥な音を立てた。
 さっきよりも奥に入ってくる。
「い、やぁっ・・・う・・・っ」
労わられる事はなく、欲望を押し付けられているこの状況に耐えがたい屈辱を覚えた。
いまだに痛みは消えない。
「っ・・・ああああぁっ!!」
また自分の中に吐き出される異液。ツゥと自分の脚を伝う感触に眉を顰める。涙で濡れる顔を拭くこともせず、
だんだん何にも考えられなくなっていく頭を無理矢理動かした。
 レイムのモノが自分から抜かれ、支えられていた腰を下ろす。
「なん・・・で・・・」
「何か言いましたか?」
荒くなる息を整えながら訊いた。今、目の前にある人物の身体は自分のモノ。
 あとは、心だけ。
「なんで・・・っこんなコトするんですか・・・っ?」
「・・・。まだ教えてあげませんよ」
にこっりとレイムは笑んだ。その笑みをマグナは見ていない。
今度は背中に冷たい感覚。見えるのは天井。仰向けにされたみたいだ。
もう抵抗もできない。ただただ荒い呼吸音を聞くだけ。
腹につけられた傷が、今更ズキズキ痛む。目の前に影がかかった。レイムしか、いるはずない。
レイムと自分しかココにいない。
レイムはマグナの上体をまたぎ、長い髪を垂らしてマグナを見ていた。
泣き濡れた顔が艶かしい。もっと汚してしまいたい。
 もっともっと追い詰めて、君を壊したい。
マグナの口に自分のモノを押し込んだ。
「ぅんっ!ぐ・・・っぁ・・・」
「ホラ、ちゃんと奉仕してくださいよ。慣れているんでしょ?」
「ん・・・っ」
「ああ、手が使えないと不便ですか?」
肯定も否定もマグナはしなかった。が、レイムはマグナの手首の拘束を解き、口の前まで持ってきた。
マグナは力なく、レイムのもの手を添えた。
 早く帰りたい。早く、早く。終わらせたい。
 終わればきっと帰してくれる。

 きっとバルレルの元に帰れる。

 これは悪い夢だ。
そう自分に必死に言い聞かせた。
 あの人の元に帰れるなら、プライドも道徳も捨ててやる。
「んっ・・・ふぅ・・・」
「いきなり従順になりましたね。どういう風の吹き回しですか?」
その口調は前より柔らかなもので、どことなく気持ち悪い。
マグナは逃れたい一心でレイムに奉仕をする。バルレルの時とは違い、気持ちが入っていない分上手くはいかないけど、
今の自分の精一杯を尽くしていた。
「・・・いいですよ・・・マグナさん・・・」
悦の入ったレイムの声。絶頂が近いことがわかる。
「ぅんっふ・・・んんっ・・・!」
「くっ・・・」
少しだけレイムの顔が緊張を帯びたものに変わる。でも、それは一瞬ですぐに開放感に変わった。
マグナの口の中に吐精され、飲みこむ気力のないマグナは苦しげに咳をすると、精液が頬を伝い床に落ちた。
止まらない精液が顔にかかった。ぬめって気持ち悪い。
「けほっ・・・はあ・・・はあ・・・」
「だいぶ疲れましたか?顔にかかってしまいましたね」
クスクスと笑うと、上から退いてマグナの頭を撫でた。
「あと、もう少しですよ・・・」
「・・・え・・・?」
虚ろな意識の中、微かに聞こえた言葉だった。
心労と身労が、マグナの精神と躯を蝕んでいた。それでも心の奥では、まだ諦めていない。帰りたい。
 バルレルに逢いたいとひたすらに想う。
また視界が180度回転した。
また、ヤられるのかと思ったが違った。
腰のあたりにわずかな重みを感じると、背中の肩甲骨あたりを触られた。そして、
嫌な予感がした。
言葉では形容しがたい人間の直感というものだろうか。
 ドクン、と大きく心臓が波打つ。ドクン、ドクンと段々早くなる。
「少し、考えたんです。どうして貴方が私のものになってくれないのか。そう。貴方には、羽があるんです。
あの悪魔とは違う・・・真白い穢れのない羽が・・・」
 羽?そんなもの自分にない。
レイムは、甘ったるい説き伏せるような声で続けた。
「・・・ならば、その羽をもいでしまえばいい。そうすれば、貴方はココにいてくれるでしょう?」
顔は、見えない。だけど、きっと狂ったように笑っているんだろう。見えない羽をもぐとはどういうことなのか、
マグナには解らなかった。でも、依然嫌な予感は止まらない。
「ね?マグナさん」
肩甲骨から、するりと手を滑らせて腰に手をやる。ここに、羽が生えているものだった。
バルレルも、アメルも。
「私からは、逃れられませんからね。マグナさん」

 逃がしなどしないけど。













腰に鋭い痛みが走ったのは、それから数秒後のこと。
混濁した思考回路を一気に冴え渡らせてくれた。
 
 イタイ。

言葉にならないくらいだった。何度も切りつけられて、その度に叫びを上げた。
もう声なんて出ないはずなのに、何度も何度も。
涙も、出た。止まらなかった。






















そう。帰れるはずなんてなかった。
鳥籠の中の鳥。
逃げられないのは、羽をもがれたからでしょう?

もう、飛べない。
































「レイム様ぁ〜およびですかぁ?」
「うん。ビーニャ。ちょっと後始末お願い」
「・・・はぁい」
レイムは、手についた血を拭うこともせず、服を着てどこかに行くようだった。
「どこに行くんですか?」
「ちょっとね」
すれ違う時にみた横顔はとても満足そうで、これから起こすことを楽しみにしているようだった。
ビーニャが後始末を任されたのは、羽をもがれた鳥の治療。
「・・・馬鹿みたい」
顔は涙と精液でベタベタだし、手首には紐によってできた赤い腫れがあった、脚には血を精液が混ざりあったものが未だに流れているし、
なにより腰にあるまだ新しい切り傷、いや切り傷というにはすこし生易しいそれは抉ったような傷だった。
「・・・はあ」
呆れたように溜息をついて、治療を開始した。
「・・・ねぇ。あんたさ・・・」
ビーニャはそこで言葉を止めた。そして、言うのをやめて、ただただ黙々と治療と後始末を始めた。


















キレイに割れた愛一つ。

転がったいた。












後書き。

・・・足りないのは、道具使用率でしょうか。
・・・目指せエログロで取り組みましたぁ・・・!!
どんなもんざんしょ?ねぇ?
私の中のレイム像はこんな感じ。
マグナさんはいじめられるためにいるんです。ええ。

・・・うふ。(逃)





                                                                                          (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K  
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