許されぬ想い。

他人を愛してしまった。 一生、感じることはないだろうと思っていた気持ちを、感じてしまった。 任務がおわった直後。 雨の降りしきる中で。 そこにいたのは血まみれの俺とラビ。 AKUMA退治を終えたばかり。 帰ろうとした時、突然だった。 「おら、いつまでボサッと突っ立ってる気だよ。」 きつい調子で言った。 後ろにいるはずのラビは答えない。 振り返ろうとしたとき。 不意に後ろから抱きしめられた。 「!?」 驚いた。すごく。 ラビは言った。 「ユウの命の残量が少ないのは知ってるさ。」 突然何を言い出すのかと思った。 でも、俺は怒鳴り返すことも出来ず、ただぼぉっとたっていた。 「でも俺はユウを愛してるんさ。」 肩のあたりにまわされた腕のしめつけがぎゅうと強くなる。 「だからユウの残りの命の分、一緒にいてもいいさ?」 ドクンと心臓がたかなった。 俺より少し、背の高いラビ。 声は震えてた。 「ラビ…、オマエ泣いてんのか?」 ラビは笑って「わかんないさ」とか答えてた。 雨とはちがう滴が頬にぽたぽた落ちてきて。 すごく すごく 熱かった。 何故か、目の前がぼんやりかすんだ。 ―――なんでおれまで泣いてるんだよ。 「ユウ?」 「見るな馬鹿。」 幼いときに流したきりの涙がぼろぼろと零れ落ちて止まらない。 嬉しくて。 苦しくて。 そして、哀しくて。怖くて。 怖かった。 ラビが自分が死んでしまうことが。 初めて、死を怖いと思った。 初めて、自らに刃を向ける死神をにくいと思った。 こいつと、ラビと、一緒にいたい。 残りの少ない、命の分を一緒にすごしたい。 でもそれは出来ないことだ。 俺は、一人で生きなきゃいけない。 俺は、人を愛してはいけない。 それが俺の定められた運命、だから。 ラビのきつく締め付ける腕をゆっくりほどいて。 まだ止まらぬ涙を、手の甲でぬぐって。 俺は、言った。 「ラビ、悪い…。お前と一緒にいられない。」 「……。」 俺は一人で生きなきゃいけない。 「俺は、一人で……」 それ以上、いえなかった。 好きだ。と大声でいいたい。 これ以上、ラビの顔を見ていたら、きっと言ってしまう。 『お前が好きだ。』といってしまう。 「だから、ごめん。」 俺は、必死になってそれだけ言うと、ラビの腕から逃げるように走って自室に戻った。 そして、部屋で一人、声を殺して泣いた。 許されぬ想いだと、わかっているのに。 何故こんなに切ないのだろう。 苦しいのだろう。 机の上の蓮の花が、妙に綺麗に見えた。 End ▼あとがき▼ 最近、ラビューフィーバーで困ってます。 切ない系SSを目指しましたがどうでしたか? やはり文才がないので、いまいちよくわからない文章になってしまいましたが。 残念です。 もっと修行します。 それではこれにて。 藍薙維麻 (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K
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