―懺悔―




神田はいつも不機嫌そうで、笑った顔を見たのはソレが初めてだった。



「ラビ・・・!!」


眼帯とターバンが印象的な紅い髪の人。


「ユウーvv会いたかったさ♪」


ラビって名前のその人は神田をぎゅぅっと抱きしめて嬉しそうに笑った。
そして神田もほんの一瞬、ふっと笑みをこぼした。すぐいつもの不機嫌な顔に戻ったけど。
普段からは想像も出来ない嬉しそうな表情。
少し悔しかった。
ラビは神田に囁いた。
それはみんなには聞こえていなかったみたいだけど、近くにいた僕の耳にははっきり聞こえた。


「十時にオレの部屋にくるといいさ。待ってるから。」

その言葉に神田がこくりと頷いて、二人は別れた。小走りで神田は去っていった。
心臓がドクンと大きく脈打って、息が苦しくなる。






















夜になった。
十時まで後二時間。僕は神田の部屋の前にいた。

コンッコンッ

二回、ドアを叩く。
「神田?」
声をかけるとほどなくして神田がドアを開いてくれた。
「何か用かモヤシ?」
団服を着ていない神田をみるのは初めてで、少し新鮮だった。
「神田、すこしいいですか?」
「よくない。」
「この間、神田が調べていた文献の元本が手に入ったんですよ。」
そう言ったら神田は少し考えてから、『見せてくれ』と一言言った。











神田を僕の部屋に入れてこっそり鍵を閉めた。
神田は僕の部屋をキョロキョロ見廻すとフンッと鼻を鳴らしてベッドに腰を降ろす。
普段腰に下げている六幻はない。
普段とは違う、無防備な神田。
「モヤシ、その文献はどこ」
神田に最期まで言わせずに唇を塞いだ。
「んんっ!?」
舌をねじ込んで歯列を舐めあげ口の中を犯す。
「っ・・・。」
殺気立ったものを感じて唇を離すと、少し遅れて神田の前歯が音を立てた。
舌を噛み切る気だったらしい。
「神田らしいですね。」
「テメェっどういうつもりだっ!!」
深かったキスで息は荒く、頬がうっすら上気している。鋭く睨む瞳もどこか可愛らしい。
まるでこれじゃあ・・



「誘っているようにしか見えないや。」



僕は言って、神田を押し倒す。
服を脱がせようと手をかけると必死に神田が抵抗する。少し煩わしくなって僕はポケットからナイフを取り出し、
軽く振ってみせた。
「暴れるとコレで殺してしまいますよ?」
効き目が無いのは承知の上でニッコリ言う。
「けっ。殺せばいいだろう?」
もちろん、神田は抵抗をやめなかった。
そして僕の中にふっとある感情が現れた。

『この男を泣かせてみたい。』と。

無論、僕はそれを実行に移した。













カーテンを縛る紐で神田の手首を縛り、ナイフで服を切り裂く。
簡単に白い肌が露になって、僕はごくりと唾を飲んだ。
その姿があまりにも扇情的で。
「・・・・・・・いい加減にしろっ!!」
神田が足を激しく動かして怒鳴る。
僕は残っていた神田のズボンを下着ごと膝まで下ろした。
何度も蹴られたけど、別に痛くない。六幻を持ってない神田は僕よりずっと
ひ弱だから。
「な・・・っ!!」
神田のモノが外気に触れてピクリと震えた。
少し小ぶりなそれにそっと触れると、神田の体が強張る。
「っ・・・!!」
「感じやすいんですね?神田・・・。」
笑って言うと神田が悔しそうに顔をそらした。
僕は神田のモノから手を離してナイフを握りなおす。
「泣いてもらいますよ?」
「・・・誰が泣くかよ。」
神田は僕を馬鹿にしたように言った。
「泣くくらいなら死んでやるよ。」
「泣かせますよ。絶対に・・・。」
僕は言って神田の胸の突起に指を這わせた。
「・・・っ・・・!!」
ラビに開発された体は随分と感度がいい。
「泣いて、僕に縋ります。そうさせてみせます。」
僕は神田の柔らかな肌にナイフの刃をあてて、ゆっくり引いた。
色素の薄い肌に紅い線が走る。
でも、それは一瞬のことで、その線はすぐに消えうせる。
「こんなもんじゃ駄目ですね。」
僕はもう一度神田の肌に刃を当てて、さっきより強めに引いた。
じわり。
と紅い血が溢れ、シーツに流れて紅い染みを作った。
ゾクゾクと言い表せない快感が背筋を走った。
そして、僕は狂ったように神田の体を傷つけていった。










痛みを与えるたびに歪む端正な顔。流れる血。
そんなことに僕は興奮していた。
「痛いですか?」
僕は聞いた。
「・・・・・・。」
神田は答えない。
「痛いですか?」
神田は勿論答えない。
「強情な人ですね。」
仕方が無い。それが神田だから。
神田はもう抵抗しなかった。
僕はまた神田の体を切りつける。
傷口に唇を押し当てて、神田の血を舐める。
しょっぱくて苦くて鉄の味。
「美味しい。」
笑って言って、すでに傷が消えた神田の手首を舐めた。
「っ・・・。」
神田が少し反応を見せる。
「手首・・・感じますか?」
神田は少しも声を出さない。時々苦しげに息を吐くだけ。
 だんだんイライラしてくる。
神田は抵抗しないけれど、拒絶している。
絶対に、受け入れてはくれない。

「神田・・・。」

小さく呼びかける。

「僕のモノになって下さい・・・。」

僕は言って自分のズボンのチャックを下ろした。
すでにパンパンになっているソレを神田の後孔にあてがう。

「好き・・・です。」

そして一気に突く。


神田が目を見開いて、痛みを訴えるように歯を食いしばる。
「はぁ・・・。」
ため息を吐いて、神田の前髪をさらりと撫ぜる。
叫びたいくらい痛いはずなのに。絶対声を出さない。
「どうしてですか?」
僕は聞いた。
「どうして声を出さないんですか?」
神田は苦しそうに息を吐いて答えてくれた。






「オレはラビを裏切らない。」





本当に神田らしい。
僕は神田の腰をつかんで激しく揺さぶった。
ぐちゅぐちゅと嫌な音が繋がった部分から響く。
それでも神田はきつく目を閉じて必死に耐えていた。
どんなに痛めつけても、神田は決して声を出さないだろう。
神田は僕を見て言った。

「オレの勝ちだ。」











































何度か神田の中で達して、僕は神田の中から自分自身を引き抜き、服を着なおした神田に僕の上着をかけて
神田の部屋まで運ぶ。
幸い誰にも会わずに神田の部屋まで行けた。

神田自身をベッドに寝かせて、僕は神田の部屋を出た。
大きな喪失感で潰されそうだった。
部屋に戻ってすぐシャワーを浴びる。涙が止まらなかった。


















コンッコンッ
ノックの音で目が覚めた。朝になっていた。
「はい?・・・うわっ!?」
ドアを開けるとラビが立っていて、いきなり殴られた。
口の中に血の味が広がる。予想していたことだったから驚きはしなかった。
「何するんですか!いきなり。」
我ながら白々しいとは思ったが一応言う。
ラビは普段見られないような鋭い目つきで僕を睨みつける。
「・・・お前・・・ユウに何したんさ?」
僕は冷静に答える。
「別に何も?」
「ふざけるなっ!!」
ラビが僕の胸倉を掴む。
「ユウがどれだけの傷負ったかわかってんさ!?」
「何の事だかわかりません。」
僕はあくまでも何も知らないと言い切るつもりだった。
ラビは僕を憎らしそうに睨んでいたけど、乱暴に僕を突き飛ばして冷ややかな目で言った。


「二度とユウに近づくな。」


そして足早に去っていった。





「・・・ク・・・クク・・・アハハハハハハ・・・」
何故か笑いが込み上げてきて止まらなかった。
自分が、どうしようもなく滑稽で。愚かで。
そして可哀相だった。
「アハ・・・ハハハ・・・。」
笑いながら涙が溢れてきた。
大切だった、大好きだった人を自らで傷つけてしまったのだ。
永遠に遠い存在にしてしまったのだ。
二度と手を触れることも叶わなくなってしまったのだ。
何で愚かだろう。
馬鹿だなと思った。
でも、ひとるだけ満足なことがある。
神田の心かに痛みが残る限り僕が神田の記憶から消えることはない。
それだけで十分だ。








僕は団服に着替えていつもどおり食堂に向かう。
「おはようございます。神田、ラビ。」
「・・・っ!!」
「・・・おはよう。」
何もなかった。みんなは知らないのだから何も無かった。
そうしておけばいい。
僕はいつも通りににこにこ笑って一日をスタートさせる。
昨日の夜の出来事は全部、神田とラビと僕の心の中にしまって、日常に戻った。








今日もいい天気だった。















▼後書き▼

あぁ・・・。残念です。
エロなしです。全然ないです。グロくも無いです・・・。ああぁ・・・。
”目指せ!エログロ!!”と頑張ったんですが見事玉砕。。。
文才が欲しいです。
すみません。アレン好きの皆様・・・!!Dグレファンの皆様・・・!!
藍薙、アレンは大好きです;;
なのにっっ!!
あぁ・・・申し訳ないです・・・。見苦しくなってしまって・・・あぅぅ。(泣・泣・泣)
もっと修行します。
・・・お目汚し失礼いたしました。
では・・・。


藍薙 維麻





                                                                                          (c)POT di nerezza A.Y I.A H.K  
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